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経済評論家・山崎元の月例経済観測

経済評論家 山崎 元 氏
経済評論家  山崎 元 氏
欧州不安再燃が足を引っ張る (2012年5月10日更新)

景気は回復が終わったとはまだいえないものの、黄信号がともった状態にある。
3月中には日経平均で1万円台をキープしていた株価がずるずると下落に向かい、連休明けには9千円にすれすれの水準まで落ち込んだ。
原因は、4月下旬の日銀の政策決定会合で、市場が期待したほどの金融緩和策が発表されず、円高が進んだことと、5月4日発表の米国の雇用統計が雇用の改善の遅れを示唆するものだったことが大きく影響した。加えて、5月上旬の週末に行われたフランス大統領選挙で現職のサルコジ大統領が敗れたことと、ギリシャの総選挙で連立与党が過半数割れしたことから、欧州の債務問題に対する不安が再燃して、株安と円高を後押しした。
欧州は、これまで債務国の援助とその受け入れに向かって動いていた政権が何れも、緊縮財政政策に反対する国民の意志によって倒れたことで、混迷が深まりつつある。ギリシャへの支援が予定通りに行われるか不透明な状況となり、また、この問題がスペイン、イタリアなどに波及する可能性が出てきた。欧州は再び警戒が必要な状況だ。
この夏に向けて、原発が稼働できないことに伴う電力不足や、電力の値上げなどが、消費・生産両方の足を引っ張る懸念もあって、心配材料の多い状況だ。
雇用は今のところ緩やかに回復しており、有効求人倍率は0.76倍まで戻った。震災からの復興需要があり公共事業請負額が伸びるなど、国内の景気がまだ大きく崩れているわけではない。しかし、海外に懸念材料が多く、政策面で円高対策が進まない状況でもあり、今後の動きは楽観できない。

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